電脳Maximum Attack!!

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伝統と革新〜MVアグスタのバイク〜
 と言うことで連載企画です。
 本日のお題はMVアグスタ。コレに「試乗」で乗った一般人はそう多くないと思いますので、ワタシにとってはソコソコ自慢できる実績でもあります(笑)

 ただ、正直に申し上げて、ワタシはあんまりこのブランドに対していいイメージを持ってません。
 その高価格と希少性故、今やドゥカティに代わって「外車」と「外車乗り」を体現するブランドとなった(だから前回のドゥカティの項で、「体現していたブランド」という表現を使ったわけです)MVアグスタですが、そうしたブランドイメージからか、乗ってるオーナーの閉鎖性はかつてのドゥカティ乗り以上で、ワタシはアプリリアを駆っていた時代にイロイロと気分の悪い思いをしたことがあります。
 また、輸入代理店もこうした風潮を助長するかのように、何故か一般向けの試乗会で試乗料(500円)を徴収していました(現在も継続しているかは不明)。コレが車両保険代だと言うならまだ納得もできますが、カジバジャパンの試乗車には車両保険は掛けられておらず、転倒などがあった場合は試乗者が全額自己負担させられます。ワタシはこの500円は「250まんえんもするバイクに乗るための『覚悟料』」と言うことにして無理矢理納得しましたが、はっきり言って意味不明です。

 万能な国産バイクと比べ、「外車」というのは基本的にニッチマーケットにターゲットを絞ったパーパスビルド的なマシンが多いわけで(そうしなければメーカーとして生き残れないから)、「外車を選ぶ」という選択が本来意味するのは、つまり「バイクという趣味」の中で、自分が求める方向性が明確になっているからこそ、それに合致するマシンは(限定用途に尖鋭化された)外車以外にあり得ないからそれを選ぶのだという意味であると定義していいでしょう。ところが実際には、バイクという「趣味の道具」を手に入れただけで、自分がその趣味を極めてしまったと勘違いする御仁の方が圧倒的に多いわけです。ドゥカティやハーレー、或いはこのアグスタのようなバイクに乗っている御仁には、非常に悲しいことにそういう人種が非常に多いわけです。彼ら「外車乗り」の閉鎖性というのは、結局のところそうした「勘違い」に根ざしていると言っていいでしょう
 もちろんみんながみんなそうではなく、ワタシのごく身近な知り合いには、ホントに「行き着いちゃって」アグスタに乗っているとんでもないヒトもいるんですが。

 まあ、ワタシがアグスタについていい感情を抱いていない理由は、ざっとこう言うところにあるわけです。
 と言うことで、前置きが長くなりましたが、本編に行きたいと思います。

 MVアグスタは、もともとイタリアのアグスタ伯爵家によって興された輸送機器メーカーで、イタリア陸軍のヘリコプターなんかも作ってます(現在は他社と合併)。バイク事業は戦後、創業者の息子であるドメニコ・アグスタ伯爵の趣味というか副業として立ち上がりました。
 1950〜60年代、つまり日本メーカーの襲来までヨーロッパの世界グランプリを席巻していたアグスタですが、一応当時から公道用市販車も製造していました。但しそれら公道用のアグスタは、レース用マシンが早い時期からマルチシリンダーかを果たしていたのに対して一般的な単気筒や二気筒だったり、GPマシン譲りの並列4気筒を積んだ750Sはシャフトドライブだったりして、明らかに「市販車改造レースには出るな」といいたげなマシンでした。
 GPレーサーの「イメージ」を引き継ぎながら全く血縁のないマシンを作って売る手法は、四輪のフェラーリとも共通する手法です(ちなみにアグスタ伯は、エンツォ・フェラーリと親交があったそうです)。この時代のMVアグスタが如何に強かったかについては、大藪春彦氏の名著「汚れた英雄」に詳しいです(主人公の戦績は、実在のレーサーのそれを置き換えられています)。

 ドメニコ・アグスタ伯爵が1971年に亡くなったのち、アグスタは、不採算部門となった二輪事業から撤退。そのブランドは紆余曲折の末、20年後の1993年に、カジバグループのオーナーであるカスティリオーニ兄弟の手に渡ります。

 カジバグループは、大元を辿ればイタリアのクラシックブランドであるアエルマッキに行き着きます。
 アエルマッキが経営難からハーレー・ダビッドソンに身売り(この当時は世界GPの250/350ccクラスではかなりの強豪でした)、アエルマッキを傘下に収めることで、日本メーカーに対抗できる「総合二輪メーカー」に脱皮しようとしたハーレーも、結局そうした転身に失敗してアエルマッキは再身売りと流転したのち、現在の経営者であるカスティリオーニ兄弟に買い取られたのがカジバの母体です。
 カジバグループはその後拡大し、一時はドゥカティも傘下に収めるなど、国産4メーカーに次ぐ大メーカーに成長しました(国産メーカーにマーケットで敗れたハーレーが「不採算部門」として売り飛ばしたアエルマッキの末裔が、今や国産メーカーに次ぐ総合二輪メーカーに育っているというのは歴史の皮肉でもあります)。そのカジバが満を持してフラッグシップとして投入したのが、現在のMVアグスタです。




 カスティリオーニ兄弟の思惑は、伝説的ブランドである「MVアグスタ」の名に恥じないスペシャルなマシン作りにありました
 まずエンジンは伝統の並列4気筒。このエンジンの設計は何とフェラーリに委託されます。結局エンジンの具体的な設計は自社で行ったらしいのですが、4バルブの配置(ラジアルバルブ)にフェラーリの基礎設計が残っています。マフラーは独特の配置のアンダーシートEXとされ、テールカウルから4本のパイプが覗くデザインはアグスタのアイデンティティとなっています。このマフラーの設計に当たっては、専任の「調律師」が存在したと噂され、実際回すと非常にいい音がします。
 車体設計は、元ビモータのマッシモ・タンブリーニ。タンブリーニはビモータを退社したのちにカジバに入り、CRC(カジバリサーチセンター)という設計部門のトップに収まっていました。当時カジバ傘下にあったドゥカティの916シリーズやパゾ、あるいは「ミニ916」と呼ばれるカジバ・ミトは、いずれもタンブリーニ率いるCRCの設計です。
 タンブリーニの設計したアグスタの車体構成は、ビモータやドゥカティとも共通するスチールトラスフレームに片持ちスイングアームを組み合わせたモノで、外装は前作、ドゥカティ916をさらに発展させたようなシャープな造形が与えられています。特徴的なのはカウル側面に一切穴がない(冷却風はカウル下から電動ファンで強制排気される)デザインで、60年代のGPレーサーのデザインを現代の技術で再構築したようなデザインとされています。
 片持ちスイングアームは、ホンダがこの技術に関する特許を独占している(もともと片持ちスイングアームは、フランスのエルフ・モトが使いだしたモノで、ホンダはエルフにワークスエンジンを供給する見返りに、片持ちスイングアームに関する特許を買い取った)ため、ねじれ剛性バランスなどに問題が出そうなところですが、タンブリーニは「どうせ両持ちにしても、チェーンラインや排気系との干渉で左右異形スイングアームとせざるを得ないなら、片持ちにしても同じコトだ」という理論の持ち主で、916に続いてこのF4でも片持ちを採用しています。ただ、ヨーロッパ人にはこの片持ちスイングアームの信奉者が多く(どうもヨーロッパ人の「かっこいいバイク」観というのは、「横から見てホイールが丸見えになるのがかっこいい」「マフラーの穴はたくさんある方がかっこいい」というモノのようです)そういう意味でF4のデザインは、ヨーロッパ人の考えるバイクのかっこよさの集大成とも言えるモノだと言えるでしょう。
 足周りはショックユニットがショーワ、ブレーキはニッシンと、ヨーロッパ製マシンには珍しく日本製パーツで固められています(昨今の限定仕様・特別仕様はヨーロッパ製品に置き換えられていますが)。カジバからの公式発表では、タンブリーニの求めたデザイン変更に、ヨーロッパのパーツメーカーが応じなかったためとされていますが、実は当時のカジバはパーツ代金不払いでヨーロッパのパーツメーカーから出荷差し止めを食らっていて、オーリンズやブレンボは使いたくても使えなかったという裏事情があったそうです(ちなみに、日本のメディアにはこうした「裏事情」はほとんど報道されませんでしたが)。

 こうして生まれたアグスタF4は、98年のミラノショーでデビュー(奇しくも、アプリリアRSVミレと同期デビューとなり、アグスタに話題を独占されたことがアプリリアの不遇のスタートになりました。極東の島国の低脳バイク雑誌に至っては、ミレの紹介文にRS250の写真をつけていたモノすらあったほどです)。まず高級パーツを標準装備した限定仕様の「セリエ・オロ」(お値段は500まんえん)が先行発売され、その後「量産型」ことF4Sがデリバリーされました。

 その後アグスタF4は、2001年に排気量アップを受けて現行のF4-1000シリーズとなります。パフォーマンス的には国産のリッター級スーパースポーツに勝るとも劣らない高性能車で、ヤマハYZF-R6に先んじて可変エアファンネルを採用した限定仕様(F4-1000タンブリーニ。'07モデルのR6のプレス発表に「世界初」と謳っているがアレは大ウソ。それを検証なしに報道してしまうあたりが、この国のバイクメディアのレベルの低さを証明していると言えます)あたりは国産以上のパフォーマンスを誇りますが、似たような性能でGSX-R1000が3台買えるお値段です。
 750cc時代のアグスタF4Sに乗った個人的感想として言わせて貰えるなら「オレならGSX-Rを3台買う」といったところです。有り体に言えば、「アグスタ」「フェラーリ」「タンブリーニ」というアイコンを外し、「カジバ750」として(※後注)見てしまえば、正直に言ってそれほどの感銘を受けない「フツーの4発」でした。アグスタF4Sは、当初予定価格300万円を、発売直前に250万円に値下げしたという経緯があり、その値下げの影響からか、プラスチックパーツのクオリティなどは明らかに価格不相応に安っぽく、個人的印象としては「当初予定価格(=300万円)を用意しておいて、差額をカーボンパーツなどに突っ込めば値段相応になる」という印象でした。
 似たような性能の国産4気筒が「3台買える」ほどのお金をこのマシンに投じるというのは、ある種「粋」の極致とも言えるわけで(まあもともと性能だけでバイク選びをしていれば外車なんて選択肢にも上がらないわけですが)モーターサイクルというモノの「趣味性」を考えた場合そうした選択を否定する気は全くないんですが、その価格に見合うクオリティが当時のMVアグスタにあったかと言われると、こういう否定的な発言をせざるを得なかったわけです。当時のワタシの相棒であったアプリリアRSVミレが、MVアグスタの約半値でありながら、カウルの建て付けなどの製造クオリティでは明らかにアグスタを上回っていたと言うのもあったと思います。また、「タンブリーニのこだわりを表現」とされていたショーワ製ブレーキシステムが、500円の「覚悟料」を払った試乗車ではエアを噛んでいたような不調状態で、同時試乗した(トキコマスター+ブレンボキャリパーの)カジバ・ラプターよりそのフィーリングで格段に劣ったことも、F4S(とカジバジャパン)への印象を一層悪くしてくれました。

 さて。
 F4で一定の成功を収めたアグスタが次に送り出したのは、ヨーロッパで人気となっていたストリートファイター、ブルターレでした。




 当時カジバには、スズキTL1000エンジン搭載のストリートファイター「ラプター」(このラプターのデザインは、このジャンルの元祖であるドゥカティ・モンスターをデザインしたミゲール・ガルッツィで、ラプターはいわばモンスターの正当な発展型に当たります)が既にありましたが、このブルターレは、F4の意匠を巧みに受け継ぎつつ、「モンスターの亜流」として閉塞感のあったストリートファイターのデザインの新潮流を生み出し、多くのメーカーから模倣されることになりました。

 フレームはストリートファイターの文法に基づき、F4譲りのスチールトラス。足回りもほぼF4と同じ構成です。低速寄りにセッティングされたエンジンは、発売当時は(F4同様)750ccでしたが、のちに910ccにスープアップされています。
 縦2灯のヘッドライトやスラッシュカットされたショットガンタイプのサイレンサーなどのデザインは非常に押し出しが強く、多くのフォロアーを生んでいます。このジャンルの元祖であるドゥカティ・モンスターすら、ブルターレ発売後に出たS4/S2では片持ちスイングアーム+ショットガンサイレンサーという組み合わせになってしまったほどです。
 正直、見慣れるまではかなり違和感のあるデザインでしたが、見慣れてくるとかっこよく思えるところがこのバイクのデザインの奥深いところです。

 さて。
 かつてのMVアグスタ同様、現在のアグスタも「レースによるブランドイメージ向上」を目指そうとしていた時期があります。もともと母体であるカジバはレースに熱心であり、日本メーカーが支配していたWGP500ccクラスに敢然と挑戦、エディ・ローソンが加入した当時には勝つところまで行ったメーカーです。しかし、現行のMotoGPの車両規定(市販車からの改造マシン全面禁止=MotoGPマシンは「一品物の純レーサー」でなければならない)から参戦が困難になり、現在はオーストリアのプライベーターがWSBにF4-1000を投入しているのが唯一のレース参加という状況です。


 かつてのMVアグスタが、「ワークスチームの名声を汚すから、プライベーターによる『市販車改造レース』への参戦が困難なマシンを売る」という姿勢を貫いていたのと同様、現在のMVアグスタも、スーパーバイクに参戦しているプライベーターが国産マシンを打倒するシーンを拝めそうにない状況です。このあたりは、GPで勝てなくなって以降に「市販車改造レース」であるTT-F1やF2で勝利を重ねてブランドイメージを守ったが故に、未だにWSBにワークスチームを送り込み続けているドゥカティとの、メーカーとしてのスタンスの違いがはっきり出ているところと言えます。

 そのスタイルと性能で多くの人々を魅了するMVアグスタですが、悲しいかなこの国ではその高価格故に「お座敷バイク」にされてしまっているモノが多いように思います。
 ただ、すれ違っても思わず目で追ってしまうような、とびきりのイタリア美人ですから、オーナーの方にはぜひどんどんお出かけに連れ出してくださいとお願いしたいところです。



※参考資料・取材協力
カジバジャパン/MVアグスタ公式サイト
カツラダモータース/モトラッド阪神(MVアグスタF4S/カジバ・ラプター試乗)
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イタリアン「保守本流」〜ドゥカティのバイク〜
 さて連載企画も第3回目。今回取り上げるのはドゥカティです。
 ご存じの通りワタシの元相棒はマイナーイタリアン(アプリリア)でしたから、ワタシの友人知己にはドゥカティ乗りが非常に多く、そういう意味ではビューエル編以上に厳しいツッコミが予想される恐怖と戦いつつ執筆しております(笑)

 ドゥカティは、ある意味で日本人ライダーの想像する「外車」を体現していたブランドと言えます。
 手が掛かる割に大して速くなく、うるさくて乗りにくいバイクと、そんな代物に喜んで乗る変人ライダー…BMWがある種「良心的な外車」という印象を与える(コレは、BMWが高級四輪車も作るメーカーだと言う点も、そのブランドイメージに寄与しているでしょう)のに対して、ハーレーとドゥカティは外車世界の両極に位置するポジションにあり、こうした「外車」と「外車乗り」のイメージ形成に寄与してきたと言えます(その一翼を担ったのは、乗りにくいバイクを有り難がるような論調を多用した、いわゆるエンスー系マスコミでしたが)
 では、ドゥカティは本当に乗りにくいバイクだったのか。それが実像であるならその原因は何だったのか。事実、80年代までのドゥカティはこうしたイメージ通りのバイクだったわけですが、その要因は国産車との設計思想の違いにありました。
 ドゥカティは、デスモドロミック(バルブ強制開閉機構)を備えた90度Vツインを前傾搭載するレイアウトを伝統としています。前バンクを水平近くまで前傾させたそのレイアウトが、横から見るとL型に見えることから「Lツイン」と呼ばれる(他社の90度V型エンジンにも似た搭載方法を採ったものはありましたが、それらがL型と呼ばれることがなかったことから、「Lツイン」という呼び名はドゥカティのみに与えられた尊称と言えます)このエンジンレイアウトが、ドゥカティの個性の原点になっています。

 ツイン、それも縦置きのVツインの大きなメリットは、エンジン幅を単気筒並みにスリムにできる点にあります。エンジン幅のスリム化は、バイクの旋回機動のキモであるロール性能の向上につながるため、縦置きVツインはコーナリングに優れたレイアウトであると言えます
 一方、ドゥカティのLツインレイアウトは、ツインとしては重心を低くできるメリットがある一方、エンジン前後長が長くなることからエンジン搭載位置の前進が難しく、結果フロントの静的荷重不足を招きます。またエンジン前後長の長さ故にスイングアームの延長(トラクション効率の向上)も難しくなります。空冷エンジンだった頃には前バンクの冷却導風の問題もあった為余計にフロント荷重が不足していましたから、ツインのメリットであるはずの「ロールレートの高さから来る一次旋回性能の高さ」を生かすことができないフレームレイアウトを採用せざるを得なかったわけです
 これにさらに、ドゥカティより重く、フロント荷重も高い国産4気筒に適応したタイヤが追い討ちをかけます。高荷重+高速対応のためタイヤのケーシング剛性は高くなり、荷重不足のドゥカティはそうしたタイヤを有効に使うことができなかったため、より一層ドゥカティのハンドリングを難しくしたわけです。

 ドゥカティのフレームレイアウトの特徴として、スイングアームピボットをクランクケース側に持つピボットレス構造が挙げられます。コレは、エンジン前後長が長くなるLツインレイアウトでスイングアーム長を稼ぐための工夫ですが、同時にこのレイアウトによって、スイングアームピボットとドライブスプロケットとの位置関係が車種に関係なく一定値になるわけです。
 バイクの旋回機動のポイントとなる、駆動力をかけた際のリアサスの伸び上がり挙動は、この位置関係+スイングアームの対地角などで決まりますから、ドゥカティのエンジンを積んだバイクは、その時点で「スロットルを開けた時の挙動」が似たようなものになるわけです。車種ごとのキャラクターに応じたハンドリングを演出しづらいデメリットはあるものの、ドゥカティのブランドとしての個性の統一感はこの構造に多くを依っています。

 さて。
 ドゥカティのスポーツバイクとしての復権は、80年代後半に実用化されたいくつかのテクノロジーのおかげでもありました。バイク用ラジアルタイヤとインジェクションです。

 公道用ラジアルタイヤを初めて標準装備した市販車であるビモータdb1は、ビモータがドゥカティ750F1のエンジンを(ドゥカティ社から正式に供給を受けた。それまでのビモータは完成車を分解してエンジンその他機能パーツを自社製フレームに搭載する方法で車両製作していたため、その調達コストから経営が逼迫していた)オリジナルフレームに搭載して制作したマシンです。


 名デザイナー、マッシモ・タンブリーニのビモータ時代最後の作品となったdb1は、標準装備のラジアルタイヤ、ピレリMP7の恩恵もあって、歴史に残るハンドリングマシンとなりました。タイヤのケーシング剛性の自由度の高いラジアルタイヤは、それまで荷重不足でタイヤ性能をフルに発揮できなかったツインスポーツと非常にマッチングがよく、このタイヤを得たことがdb1のハンドリングに大きく寄与しています。
 ドゥカティは公式には認めていないものの、このdb1の成功はドゥカティのマシン作りにも大きな影響を与え、似たアプローチでハンドリングを追求した750スポルトを生み出すことになります。現在のSS系に連なる空冷ドゥカティの始祖となったモデルです。


 一方、db1を置き土産にビモータを去ったマッシモ・タンブリーニはカジバに移籍し、当時カジバ傘下にあったドゥカティのために「750パゾ」をデザインします。

 db1の再来を期待したファンからはいささか肩すかしを食らった印象を与えるような、グランツーリスモ的性格のマシンとされた「パゾ」ですが、このマシンに搭載されたパンタ系Lツインは後ろバンクのヘッドが従来とは反転されており(それまでのLツインは前後バンクとも後方吸気/前方排気なのに対して、パゾ以降は前バンク前方排気/後ろバンク後方排気に変更)、排気系の取り回しの自由度や吸気温度の差による前後バンクのセッティングの不具合と言った従来のLツインの弱点の克服が目指されています。このエンジンはそのまま前述の750スポルトに搭載され、現行SS系などの空冷ドゥカティのパワーソースの源流となっています。

 一方、バイク用インジェクションの実用化は、ビッグボアのツインにとって福音でした。
 一般的にキャブレターは、排気量サイズに応じた混合気流量からその口径が決まります。1気筒当たりの排気量が大きいビッグツインの場合、必然的に大口径のキャブを装備するわけですが、キャブ口径の大型化は、スロットル急開時の吸気流速の不足を招きやすく、扱いにくいエンジン特性になりがちでした。
 「スリムでロールレートが高く、一次旋回性がいい」ツインのもう一つの強みは、不等間爆発+トルクの立ち上がりの強烈さから得られる、コーナー立ち上がり時の強烈なトラクション(=二次旋回性に於いても4気筒を圧倒できる)なのですが、キャブではその強みを生かすためには繊細なスロットルワークが求められるわけで、それを十分に生かせるのはエキスパートのみだったわけです。
 インジェクションの実用化によって、こうした問題はほぼ解決され、ツインの強みを格闘戦でも生かせる状況が揃ったわけです。

 インジェクションとラジアルタイヤを備えたドゥカティのフラッグシップ「851」は、従来のパンタ系Lツインを水冷ツインカム化(カム駆動はパンタと同じくコックドベルト)したエンジンを、750F1系フレームに搭載したプロトタイプでレースの実戦テストを重ねられた後にデビュー。

 排気量を上げた888を経て、(ビモータdb1の生みの親である)タンブリーニ設計による916系に進化します。



 ドゥカティ916系は、ある意味ドゥカティの個性の象徴とも言える設計で、スチール製トラスフレームに水冷Lツインを搭載し、リアサスはタンブリーニお得意の片持ちスイングアームと言う構成です。
 車体は徹底的にスリム化され、ツインならではの高いロールレートを生み出しやすいレイアウトです。水冷化によってかつての懸案だった「前バンクの冷却」からは解放されたとはいえ、静的フロント荷重は依然として不足気味ですから、車体レイアウトから得られる高いロールレートで一気に一次旋回ヨーゲインを得る必要があります。スイングアーム長の不足によるトラクション効率の悪さは、トラスフレームのしなりでカバーするので、しっかり一次旋回で荷重をかけられればよく曲がる一方、倒し込みで迷ったりして一次旋回ヨーゲインが不足すると全く曲がらなくなる極端なハンドリングの持ち主でした。
 さらにドゥカティ916〜996系は、中速域で暴力的にトルクが立ち上がるエンジン特性だった為、立ち上がりのスロットルワークにも繊細さが求められましたから、乗りこなすにはかなりの修練を必要とする印象でした。
 もう少し今日的なハンドリングを持ったツインスポーツであるアプリリアRSVミレから乗り換えるとその個性は際立っており、一方でヘタレを許容しないスパルタンさは、ドゥカティにしか許されない個性であると感じられました。この手のスポーツバイクとしては低く構えた車高で一見取っつきが良さそうに見える916系ですが、実は恐ろしくスパルタンな乗り物であり、高い車高+大柄な車体でまたがった印象は最悪と言える(笑)アプリリアが、実は格段にユーザーフレンドリーなハンドリングを実現していたあたり、外見の印象とその乗り味が正反対でなかなか好対照でした。

 ドゥカティ916シリーズは、スコット・ラッセル、カール・フォガティ、トロイ・コーサー、トロイ・ベイリスらの手によってワールドスーパーバイクのチャンピオンに君臨、一方で「マトリックス・リローデッド」にも出演するなど大活躍します。当時のスーパーバイクのレギュレーションは「2気筒1000cc、4気筒750cc」というツインに有利なモノだったのですが、ホンダをしてVツインのスーパーバイクホモロゲーションモデル(VTR1000SP-1)を作らせるほどドゥカティの強さは圧倒的で、90年代におけるドゥカティブランドのイメージ向上に大いに寄与しました。
 また、「マトリックス」への出演でも判るとおり、この916系のデザインは「スポーツバイクのかっこよさ」のひとつの到達点とさえ思えるほどであり、後発のスポーツバイクのデザイントレンドに大きな影響を与えることになります。最近の車種でも、ホンダCBR1000RRのデザインあたりは、916系の影響ありありです。


 参考までにもう一つ付け加えると、916系のかっこよさのポイントである左右異形ヘッドライトは、当初日本の車検規定(灯火類は左右対称配置でなければならないという規定があった)に合致していなかったことから、オリジナルデザインのままでの国内投入が絶望視されていました。
 当時のドゥカティ輸入代理店であった村山モータースは、アプリリア輸入総代理店であったボスコ・モトと共闘してこの規定の変更を行わせ、その結果916系と(同様に左右異形ヘッドライトを採用していた)アプリリアRS250は、オリジナルデザインのままで日本市場に投入されることになりました。この2車種ののちの人気を思えば、この時の両社の決断は賞賛されてしかるべきだと思います。

 その後ドゥカティは、アグスタブランドを手に入れたカジバから売りに出され、それに伴ってタンブリーニの設計から決別することになります。そうした背景から生まれた次世代モデルが、現行の999系になります。





 ドゥカティ999は、916〜996系の次世代モデルとして、スーパーバイクレースに参戦することを目的に生まれたホモロゲモデルです。ゲーム中に登場する999Rはその中でも最もホットなホモロゲーションモデルであり、ノーマル仕様と比較して数々のスペシャルパーツが奢られています。
 フレームレイアウトは916系から引き継いだスチールトラスですが、剛性と車高変化の問題があった(チェーンテンショナーが偏芯カムである片持ちスイングアームは、チェーン調整だけでも車高が変化してしまう。前述の通りピボットレス構造を持つドゥカティは、後輪車高/スイングアーム対地角のセッティングがシビアで、その点で片持ちは不利と言えた)片持ちスイングアームを廃止して、コンベンショナルな両持ちに変更されています。
 外装はピエール・テルブランチの手になる新設計で、MotoGPを走るデスモセディッチとイメージを統一しています。ただ、この999のデザインは好評とは言えなかったようで、限定生産のスペシャルマシン「デスモセディッチRR」や、次期主力戦闘機となる「1098」では、デザイン的には916系への回帰が見られます。


↑デスモセディッチRR

↑1098
 「スポーツバイクのかっこよさ」の極致と言えた916系の後継モデルというコトで、いささか可哀想な面はあったと思いますし、現にスーパーバイクで活躍して「見慣れた」コトで、この999のデザインも捨てたモノじゃないと思うようになったのですが。
 フレームレイアウトの変更とサスの設計変更、さらにスロットルに対するパワーサプライ特性を飛躍的に向上させた「テスタストレッタ」エンジン(916系の最終型「998」から採用)により、999系の乗り味は、かつての「ヘタレお断り」的な916系の印象を払拭、かなりユーザーフレンドリーな乗りやすさを得ています。乗りこなすこと自体が乗り手へのチャレンジだったかつてのドゥカティから、一定レベルの乗りやすさを与えることでよりアグレッシブなライディングへ乗り手をチャレンジさせる方向にシフトしたと見ることができますし、これは同時に、レースでの戦闘力向上にもつながると見ることもできるでしょう。
 想定通り、999の戦闘力は一級品で、4気筒も1000ccまで出走可能となり苦戦が予想されたスーパーバイクのタイトルを奪還しています。





 ゲーム中に登場するドゥカティ999Rのレース仕様は、このスーパーバイクに参戦しているワークスレーサーに酷似したカラーリングをまとっていて、気分を盛り上げてくれます(ゼッケンも、トロイ・ベイリスと同じ21番にしてみました)。

 レースでの活躍が顕著なことから、とかくそのスパルタンなイメージが先行しがちなドゥカティですが、近年はストリートファイターの始祖であるモンスターや、オフ系のディメンションを持つムルティストラーダ、或いはメガモト(現行のスーパーモタードより大きい排気量のモタードレース)への参戦を睨むハイパーモタードなどの新型車をラインナップしています。そのブランドイメージから、あこがれはあっても乗ることを躊躇するライダーは多いですが、機会があればこの強烈な個性に接してみることをおすすめします。



※参考資料・取材協力
ドゥカティジャパン公式サイト
カツラダモータース(996S/748S/998試乗)
ドゥカティ乗りの友人多数(ウンチク・雑学ネタ提供)

※7/21写真を数点追加しました。
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コーナーが待ち遠しい〜ビューエルのバイク〜
 と言うことで実車紹介バイク編の第2弾、ビューエルを取り上げます。
 実はワタシの身辺にはビューエル乗りが多く、激しいツッコミが予想されるのがいささか不安なところです(笑)

 「ビューエル」というブランドのバイクが初めて世に出たのは1983年。ハーレー・ダビッドソンのエンジニアだったエリック・ビューエルが自分のアイデアを具現化して作り上げたレーシングマシンがその始祖となっています。ビューエルの「始祖」であるRW750はパイプフレーム+市販レーサーの2ストロークエンジン(写真が小さく判別不能。TZ750の後方排気仕様っぽい7/19訂正:エンジンは英国バートン製2ストスクエア4気筒750cc)という組み合わせでした。

 その後1983年にエリック・ビューエルはハーレーを退社し、ビューエル・モーターサイクルカンパニーを設立。そのデビュー作となったのは1986年発売となる、ハーレー・スポーツスター系のエンジンを搭載するRRシリーズでした。公道仕様のRR1000/1200は独特のフルカバードボディで個性を主張したマシンでしたが、何しろエキセントリックな外観+エンジンがハーレー(ダートトラックレーサー用のXRエンジンを搭載)という組み合わせでしたから、ヨーロッパ製スポーツバイクを必要以上に信奉する日本市場では「イロモノ」と見られ、市場では成功作とは言えませんでした。ただこのバイクと、それを追ってデビューしたツアラーモデルRS1200で、ビューエルは倒立フォークやアウターローターディスクという、現行車種に連なる基本構成をモノにしていますから、ビューエルにとっては非常に重要なモデルとなっています。また、このRR1000のフレームにハーレーのワークスエンジンを搭載した「ルシファーズハンマーII」は、アメリカAMAのバトル・オブ・ザ・ツイン(翌年から「プロツインズ」に呼称変更)で活躍し、フレームビルダーとしてのビューエルの名声を確固たるモノにしました。

 さて。
 ビューエルの次なる作品は、極端な低重心+ショートホイールベース設計という、のちのビューエルの基本コンセプトの始祖となったS1ライトニングでした。
 エンジンは例によってハーレー・スポーツスター用1200cc、コレをオリジナルのスチールフレームにマウントし、排気系とリアサスをエンジン下にマウントするなどの低重心設計としたS1は、ちょうどブームになり始めていたストリートファイターの中でも個性的なモデルとして高く評価され、ビューエルの今日の成功の礎になりました。デザインはショートホイールベース+低重心化のためにシートレールが短いレイアウトで、寸詰まりに見えるほどの「固まり感」のあるデザインで、ワタシの友人は「カタツムリみたいなバイク」と評していました(笑)ただ、S1ライトニングは標準装備のホワイトパワー製サスの作動性に問題があり、「非常にエキサイティングな乗り味」と評価されました。
 ワタシが一時ネット上で仲良くさせていただいていた某・超有名漫画家さんがいるんですが、その方はとんでもなくカスタマイズしたビューエルS1に乗っておられました。そのビューエルは(問題があったと言われる)ホワイトパワーから前後サスをリプレースされており(フロントがオーリンズ、リアがクアンタムだったはず)、オーナー曰く「見てくれは派手だが非常に乗りやすい」と評されていました。つまり、サスさえまともに動けばS1は非常に乗りやすいバイクで、基本コンセプト自身に間違いがなかったと言うことが実証されていると思います。ただ、S1/X1のエンジン下レイアウトのリアショックは、通常と作動方向が逆(サスが沈むとショックユニットは引っ張られて伸びる)なためリプレースが難しく、この「サスさえまともに動けば」というビューエルの評価を一変させるのは、後継モデルであるX1の登場まで待たれることになります。

 S1の後継モデルとなるX1ライトニングが投入されたのが1999年。奇しくもアプリリアRSVミレやビモータdb4と同じ年のデビューとなり、「ツインの速いヤツ」を買おうと画策していたワタシを悩ませてくれました(本当)。X1ライトニングを試乗したときには、マジで一瞬(当時既に予約を入れていた)ミレの予約をキャンセルしようかと悩んだほどです。
 X1ライトニングの主要構成は、S1Wホワイトライトニングに搭載されていた「サンダーストーム」エンジンをインジェクション化したモノを、オリジナルのスチールフレームに搭載。前後サスはS1のホワイトパワーからショーワに換装され、作動性を向上させています。S1譲りの低重心設計はさらに推し進められ、シートレールをアルミ化して軽量化するなどの進化を遂げています。
 このX1のデビューと相前後して、ハーレージャパンがビューエルの取り扱いを開始(1994年からハーレーがビューエルに資本参加)、X1のインジェクションマップを絶えずアップデートするなどのメーカーの真摯な姿勢が高く評価され、ビューエルは一気にメジャーブランドとなります。
 そして、オリジナルの単気筒モデル「ブラスト」(国内未発売)を挟んでビューエルが送り出したニューモデルが、現行モデルとなるXBシリーズです。





 ビューエル・ファイアーボルトXB12R。
 現行ビューエル最強のホットモデルであるXB12Rは、2001年にデビューした新世代ビューエルであるXB9Rの進化発展型に当たります。
 エンジンはハーレー・スポーツスターのそれとよく似たオリジナルの空冷45度Vツイン(OHVドライサンプ)です。XBシリーズの特徴はこのエンジンを抱えるフレームレイアウトにあります。ビューエルの基本コンセプトである「低重心+マスの集中化」「高剛性」「バネ下重量の低減」が徹底的に貫かれたレイアウトとされています。
 低重心化を徹底するため、ガソリンタンクはフレーム内、ドライサンプのオイルタンクは何とスイングアーム内に収められ、低重心化とフレームレイアウトの自由度を確保しています(コレに伴い、従来エンジン下に寝かされていたリアサスユニットは、一般的な縦置きにされています)。キャスター角は、XB9R/12Rでは何と21度と極端に立てられており、ホイールベースも1320mmと極端に短縮されています。サイドビューを見て判るとおり、ビューエルの全長は1200ccもあるビッグバイクと思えないくらい短く、エンジンのボリュームを除けば250ccのスポーツバイクくらいのサイズです。つまり、必要な安定性は低重心化で稼ぎ、ディメンションは極端なくらい機動性に振ったレイアウトを与えられているわけです。
 フロントのキャスター角は、バイクのハンドリングのキモと言えます。再三述べているように、バイクの旋回機動は「倒れようとする車体が復原するためにイン側にハンドルを切る」ことによって発生します。フロントのキャスター角が大きくなると、タイヤが実舵角より大きく切れるため、小さい舵角でも復原力を発揮するので、マシンのハンドリングは安定傾向になります。機動性重視のスーパースポーツでも、キャスター角は概ね25度くらいが標準的です。ビューエルの21度というキャスター角がいかに驚異的な数値かは明らかでしょう。
 参考までに、ワタシの前愛機と現愛機のスペックを並べて書くと、

キャスターホイールベース
ビューエルXB12R21度1320mm
アプリリアRSVミレ(ME型)25度1415mm
スズキGSX-R1000K323.5度1410mm
(参考)'95NSR250SP23度1340mm

 つまりビューエルは、250ccレーサーレプリカに匹敵するショートホイールベースと立てられたキャスターを持ったフレームに1200ccのエンジンを詰め込んだ構成となっているわけで、徹底的に機動性重視の方向に振ったディメンションを与えられているわけです。実際、低速域でのビューエルXBのハンドリングは、いつ復原力不足でゴロンと逝くかわからないスリリングなモノです(バイクのロール性能が常に一定の「ツーリスト・トロフィー」ではこの特性は再現されていませんが)。
 この「復原力不足でゴロンと逝きそうな」クイックなハンドリングで一気に向きを変え、Vツインの大トルクを叩きつけて脱出加速に持ち込むのがビューエルの真骨頂で、峠レベルのスピードレンジでは非常に楽しいマシンになります。XB9Rではエンジンに明確なトルクの谷があり、市街地ではちょうどその谷が常用域にかかっていたためライディングに苦労させられましたが、排気量増大によって全域のトルクが向上したXB12シリーズはこの弱点を克服しており、より一層この独特なキャラクターを楽しめるようになっています。
 ビューエルの特徴のもう一つに、独特なエンジンマウントがあります。母体となったハーレーと同じく、ダンパーを介してフレームにエンジンを吊る独特の形式で、狭角Vツイン特有の首振り振動をこのダンパーで吸収する構造になっています。ダンパーの性能で、「どの回転域で一番振動を吸収するか」という味付けが可能なのですが、ビューエルの場合最高回転域近くの高回転域(と言っても6000回転くらい)で振動吸収性がMAXになるセッティングがなされています。低速でだらだら流していると振動まみれなのに、ぶん回すと振動が消えていくので快適になるという楽しい乗り味が、このエンジンマウントで演出されているわけです。
 また、狭角・空冷Vツインというエンジンレイアウトでハイパワーを達成しているため、風が当たりにくい後方シリンダーの冷却が厳しくなるんですが、ビューエルは後ろバンクの導風専用の電動ファンを装備してコレに対応しています。この電動ファンはメインスイッチのオンオフと関係なく、後ろバンクの温度が一定以上になると作動するので、停車直後に突然ファンが回り出してにわかオーナーを驚かせたりすることが多いです。
 ブレーキは、ビューエルお得意のリムオンディスク(ディスク盤がハブ側ではなくリムに取り付けられている)のシングル+6ポッドキャリパーの組み合わせで、ダブルディスク並みの制動力をシングルディスクで達成できる分バネ下を軽くできる仕様です。リムオンディスクはディスクとリムが距離的に近い分走行風がディスクに当たりにくく、ハードブレーキ時のディスクのクーリングに難があるコトからレーシングマシンでは(一時流行したモノの)放棄されたテクノロジーですが、ストリートレベルでは問題ないと思われます。
 駆動系はハーレーがよく用いるベルトドライブで、ベルト自体の伸縮性からハブダンパーを軽量化できる分バネ下も軽くでき、しかもメンテナンスもほぼ不要という仕様です。ただ、スプロケットの歯数変更によるファイナル変更が難しく、レース仕様にする際にはチェーンドライブに換装されることが多いです(ビューエルの市販レーサー「XBRR」もチェーンドライブ)。





 このゲームに登場するXB12Rのレース仕様は、カラーリングといいデザインと言いツボを心得たいいカタチなんですが、何故か駆動系がベルトドライブのままでガックリさせられました。

 ストリートファイターのライトニング系の見てくれや、ハーレー系のエンジンを積むというところから、比較的ゆったりしたマシンと思われがちなビューエルですが、その実像はコーナリング命の攻撃的なマシンで、気持ちを攻めの姿勢にして駆ると非常に楽しいバイクです。ハーレージャパンの正規ディーラーは試乗車の用意もいいですし、ビューエルの真価はチョイ乗りでもかなり体感できますから、試乗されることをおすすめします。


※参考資料・取材協力
ビューエルジャパン公式サイト
プロショップハイサイド(X1ライトニング試乗)
服部モーターサイクル商会(XB12R/9R/9S試乗)
ビューエルジャパン製ビューエルカタログ/ヒストリーブック「ペガサスの翼」
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唯我独尊〜BMWのバイク〜
 と言うことで、しばらく連載企画として「ツーリスト・トロフィー」を絡めた二輪の実車紹介コンテンツをやります。
 台風のおかげで(嗚呼)3連休も自宅に引きこもっていましたので、フォトの撮影もいい感じに進みました。

 とりあえず以前の予告通り、外車をメーカー別にやっていこうかと思います。
 ちなみにワタクシ、試乗マニア(笑)の元外車乗りであり、「外車に乗ってる」恩恵を最大限生かして、このゲームに登場する外車に一通り試乗してきたという経歴の持ち主でもあります。

※国産車に乗り換えて思うことですが、「外車に乗る」コトの最大の恩恵とは、ひょっとすると「およそ大抵のバイク屋に行っても試乗を断られない」という点に尽きるんじゃないかと思います(笑)

 ただ、基本的にワタシの書く印象はチョイ乗り試乗で得たインプレがメインですから、恐らく該当車種オーナーの方からはツッコミどころ満載だと思います。
 もぉね。ツッコミ上等。と言うかいっぱい突っ込んでください。ワタシ如きのインプレを参考にされる方がいるとも思えませんが、そのあたりで書き手を啓蒙していただければ助かりますので。

 さて。
 記念すべき第1回は、BMWを取り上げます。
 本来ならABC順にやった方がいいんですが、「A」に相当するアプリリアにはひとかたならぬ思い入れがあるので(笑)一番最後に回したいと思いまして。

 BMWモトラッド、すなわちBMWの二輪部門は、長年に渡って「クランク軸縦置き+シャフトドライブ」を基本構成としてきました。BMWの代名詞でもあるボクサー(水平対向ツイン)はもとより、戦前〜戦後期に作られた単気筒もボクサーの片バンクを外して90度回したようなレイアウトの縦置きクランクですし、マルチシリンダーのKシリーズも先代は縦置き搭載(90度横倒し。BMWのF-1エンジンや初代エスティマと同じ)でした。
 BMWのバイクに共通するのは無類のタフネスぶりで、黎明期のパリダカ二輪部門はBMWの天下でした。BMWの耐久性に対する絶対的な自負は、KTMや国産メーカーがマシン供給を見送った、ユアン・マクレガーとチャーリー・ブアマンの「大陸横断バイクの旅(LongWayRound)」へのマシン供給でも明らかでしょう。

 また、「冒険投資家」として有名なジム・ロジャーズ氏が世界一周旅行に出た際に相棒として選ばれたのもBMW・R100RTでした(ご本人はGSを使いたかったそうですが、当時お付き合いしていた女性を伴っていたため、足つき性を考慮してRTになったそうです)


 一方、クランク軸縦置き+シャフトドライブという基本レイアウトはカウンタートルクの影響からスポーツライディングでは不利で、パワーではイタリアのライバルを圧倒したBMWがグランプリレースで勝てなくなったのはここに原因があります。
 ちなみにBMW「RS」エンジンは、そのパワーと低重心を生かして、サイドカーレースのパワーユニットとして多数の勝利を得ています。
 BMWのモーターサイクル開発の歴史は、ある意味この「縦置きクランク+シャフトドライブ」の癖の克服の歴史であったとも言えます。




 BMW・R1200ST。
 BMWの現行ラインナップでは、Rシリーズの頂点にあるバイクで、「ST」=スポーツツーリングの名が示すとおり、かつてのトップモデルたる「RS」の後継モデルとなるバイクです。
 フロントサスはBMW独自の「テレレバー」サス、リアはシャフトドライブの癖を克服した「パラレバー」式片持ちサスで、乗って走っている分には縦置きクランク+シャフトドライブの「癖」はほとんど感じられません。ボクサーユニットならではの低重心とこの独特の前後サスの設計の組み合わせと、高い防風性能を有するカウルから、ハイアベレージでのツーリングを得意とするバイクに仕上がっています。

 さて。
 BMWのバイクに共通するもう一つの特徴は、その「俺ルール」的マシン作りでしょう。
 例えば、BMWのウインカースイッチは、左右のスイッチボックスに分かれて配置されています。コレはもともと、厳寒期のヨーロッパで厚手のグローブをはめても操作ミスをしない配慮ですが、他ではハーレー以外に例を見ない独自の配置です。

※断熱素材の発達により、厳寒期でもそれほど分厚いグローブをしなくなった現在では、BMWのこの「左右独立ウィンカースイッチ」は「旋回に向けてステアリングの(ごく小さい)きっかけに使えるから」という後付けの理由づけがされています。
 ちなみにハーレーの場合、ウィンカーのオートキャンセラーがつく関係で左右にスイッチが分かれているようです。

 また、BMWのセンタースタンドは、掛けた際に後輪が接地する仕様になっています(ほとんどのバイクは後輪が浮き、前輪が接地します)。これは重積載時の荷崩れ防止+タイヤ交換を容易にする工夫です。もちろんこのままエンジンを掛けてギアを入れるとバイクが自分勝手に発進してしまうわけですが、BMWオーナーたるモノそんなケアレスミスはしないだろうと言うことになっているようです(スタンドスイッチか何かがついてる?)。またBMWの場合、シャフトドライブですからチェーン周りのメンテナンスをする必要がなく、チェーン周りのメンテのために後輪を浮かせるセンタースタンドをつける必要がないというのもあると思います。

 こうしたBMWの「俺ルール」の最たるモノに、「カウル装備車両よりノンカウルもしくは小型カウル装備車両の方がスポーツ度が高い」というのがあります。BMWにとってカウルは「レーサーっぽさを演出する外装品」ではなく、防風性能を高めるための実用品なのです。RシリーズのRS/ST(大型カウル装備)よりも小型カウルのSが、KシリーズではフルカウルのSよりもネイキッドのRがよりスポーツ度が高くなっています。

 量産市販車初のフルカウルつきモーターサイクルは、このBMW・R100RSです。
 のちにGSX1100S刀をデザインするハンス・ムートがデザインした、時代を感じさせない魅力的なフォルムを持つこのRSですが、実は当時存在したスポーツモデル、R100S(こちらはビキニカウル装備)よりもグランドツアラー的性格にされており、発売当時は「RS(レン・シュポルト。BMWのレーシングモデルに与えられてきた尊称)の名に相応しくない」という声も聞かれました。
 ただ、そのフォルムと、先鋭的な外見に見合わない実用性能の高さからRSは人気モデルになり、一度生産中止されてからもユーザーからの熱烈なアンコールに応えて、フォルムをそのまま、片持ちスイングアームの新型フレームに中身を入れ換えて再生産されたほどです(この写真のRSは、今では珍しい初期型です)。




 BMW・K1200S。
 従来のクランク縦置きコンセプトを捨て、日本製のライバルと同じ横置きクランクの4気筒を搭載した新生Kシリーズの旗艦モデルです。クラス分けで言えば、ホンダCBR1100XXスーパーブラックバードやスズキ隼に対抗するような高速ツアラーに相当するモデルですが、BMWが作る以上ただ者ではない代物に仕上がっています。
 先代Kシリーズは、BMWでは初めて100馬力の自主規制の壁を破ったモデルであり、トラディショナルなRシリーズに対するBMWの革新系モデルと言えるシリーズですが、横置きクランクとなった現行Kシリーズにもその血統は受け継がれています。エンジンは極端に前傾搭載されて低重心化を図られた並列4気筒で、それをセミモノコック風フレームに抱える構成とされています。フロントサスはテレレバーの進化型となるデュオレバーで、並列4気筒搭載による車重やフロント荷重の増大に対して必要な剛性を確保しています。
 リアサスは、伝統のシャフトドライブ+パラレバーの組み合わせですが、独自の電子制御減衰力可変システムを搭載して重積載に対応しています。




 BMW・K1200R。
 BMWの伝統に則り、カウルレス化されスポーツ度を高めたKシリーズのスポーツモデルです。近年流行のストリートファイターをBMWが作るとこうなるという個性的なモデルとなっています。
 フレームの基本構成はK1200Sと共通で、デュオレバー+パラレバーのサスも同じです。但しシャフトドライブの最終減速比はショートファイナル化され、K1200Sよりもきびきびとした走りを可能にしています。
 独特の非対称配置ヘッドライトは、R1200GSなどとも共通するBMW独自の意匠で、宮崎アニメに出てくるロボットをイメージするヒトも多いと思いますが、個性派揃いのストリートファイター市場に於いても独自の個性を誇っています。

 さて、安全性の面でも、BMWはその独自性を遺憾なく発揮しています。
 BMWのフロントサスに採用されている「テレレバー」は、四輪で言うところのストラット式サスに似た構造で、テレスコピックサスの難点である「サスストロークに伴うディメンション変化」を解消しています。他のバイクメーカーがテレスコピックサスの弱点を承知しながら、それを機動性に生かせるライダーの技術に期待したマシン作りをしているのに対して、テレスコピックフォークの生みの親である(!)BMWは、ライダーの「マシンコントロールを楽しむ余地」よりも「サスを設計要目通り動かすこと」を優先した設計を押し通しています(ちなみに、さしものBMWと言えども「テレスコピックの弱点」を味方につけられるエキスパートライダー向けのマシンである「HP2」にはテレスコピックフォークを採用しています)。Kシリーズに装備されている「デュオレバー」は「テレレバー」の発展系で、四輪のマルチリンクサスに似た構成として剛性を高めています。加減速でピッチングモーションを発生しない「ツーリスト・トロフィー」のゲーム内では、実は最も実車に近い(但し加減速時に限って、ですが)挙動を示すのはこのパラレバー/デュオレバー搭載のBMWかも知れません(皮肉)
 ちなみにワタシは、以前試乗したR1150GSで、荒れた路面の下り坂でS字を切り返しつつフルブレーキングするという過酷な状況に遭遇したことがありますが、テレレバーはびくともせずぴたりと安定した姿勢のまま減速旋回をやってのけました。
 またBMWは、二輪用ABSの装備もいち早く行い、二輪のシビアなブレーキコントロールからライダーを解放しています。2008年モデルのR1200RTには、このABSにヨーレートセンサーを組み合わせて、四輪で言うところのEBCのような姿勢安定制御システムに発展させており、よほど無茶なことをしない限り転倒しないバイクを作り上げてしまいました(雑誌テストでは、重量級ツアラーのRTを、何とグラベルに持ち込んで無事に走り切っています)。
 二輪・四輪の両方の安全テクノロジーを総動員したBMWの自信作がスクーター(BMWでは「シティコミューター」と称しています)の「C1」で、四輪仕込みの衝突安全装備+二輪テクノロジーの投入によるアクティブセーフティ技術の融合で、ドイツ本国ではヘルメットの着用不要という驚異の安全性を誇っていました。こうした取り組みをあっさりやってのけるのがBMWの底力であり、同じように二輪と四輪をやっている日本のメーカーが進歩のないスクーターを作り続けているのと大違いと言えるでしょう。


 端的に言えば、BMWのバイクは「乗り手を過信しない」ところから開発されており、特にツアラー指向の強いバイクほど「乗り手は余計なコトをするな」と言うメッセージがひしひしと伝わってきます。ぶっちゃけ、BMWのバイクならアクセルを開ける体力さえあれば乗れそうで、ワタシは還暦になったらBMWに乗り換えて百歳まで乗ってやろうと考えてます。

 ならばBMWのバイクは「乗って面白くない」のかと言うと、コレがそうでもないところがBMWのBMWたるところです。安全性を重視したマシン作りは乗り手の安心感に繋がりますし、ライダーが思いきってマシンを駆ることに集中できると言うことに繋がります。実際、GSのような超重量級オンオフツアラーでも「オフロードに踏み込んでみたい」とライダーに思わせるのがBMWの真骨頂であり、マシンがどうにかしてくれるという安心感で乗り手のチャレンジ精神を引き出すのがBMW製モーターサイクルの個性になっています。
 こうしたライダーのチャレンジ精神を満たすためでしょうか。BMWはワンメイクレースに熱心であり、Rシリーズワンメイクの「ボクサートロフィー」は伝統のワンメイクレースとして多くのエントラントを集めています。ボクサートロフィーに参戦し、フルバンクで削ったボクサーのヘッドを誇らしげに見せびらかす(そのために、わざわざ肉厚の厚いGS用のヘッドカバーに換装する例が多い)のがBMW乗りの一種のステータスとなっています。




 このゲームに登場するK1200Rのレース仕様は、こうしたワンメイクレースに使用される「カップカー」仕様と似たものになっています。こうした「カップ」仕様のマシンは公道走行可能なマシンとしてBMWからデリバリーされていて、オプションのレースキットとの組み合わせでワンメイクレースに投入可能な仕様にされています。

 最後に、BMWの個性を際だたせるマーケティングについて。
 ココまで書いたように、BMW製モーターサイクルの持ち味は、マシンに対する安心感がライダーのチャレンジ精神を引き出すという点にあり、こうした味は長距離を乗ってはじめて見えてくる部分であると言えます。
 コレを体感してもらうためか、BMWジャパンでは「300km試乗プログラム」なる長距離試乗プログラムを実施しています。ディーラーが用意する試乗車を丸一日乗り回せるこのプログラムは、BMWの個性をライダーに体感させる絶妙のプログラムであり、他のメーカーもぜひ見習ってもらいたいプログラムです。
 実は、以前カタログもらいに行った某ディーラーから「ぜひ一度乗ってくれ」と熱心に誘われていますので、ワタシも一度この「300km試乗プログラム」を利用して、GSかKシリーズあたりをじっくり味見してみたいと画策しています。


※参考文献・取材協力
BMW-Motorrad
カツラダモータース/モトラッド阪神(R1150GS試乗)
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続・ブログスカウター
 えーと。冗談でつけてみた「ブログスカウター」ですが、とんでもない数値を叩き出してます。

 7/11のブログスカウターの数値、実に「47」ですよ奥さん。

 ちなみに、ワタシの持ってる別ブログ(mixi日記兼用)の数値は本日現在「14」。スカウターの「影響力」数値にはてなのブックマークとかが含まれている関係でココより有利と思われた別ブログの方はまあそれなりの数値だったわけですが、こっちはとんでもないスコアですよ。

 まあ思うに、Y!やGoogleの検索にいっぱい引っかかっていることやページビューが相変わらずいい数字だというあたりが好スコアの要因だと思うんですが、設置した本人もびっくりしております。

 こりゃアレですな。ウチを「場末のブログ」と言ってたのをちょっと訂正しなきゃなりませんわ(苦笑)まあ一方で、これだけ「影響力」があると言うのが数値で示された以上、書き手としてのワタシの責任もそれなりに重くなってると言えるわけで。

 とは言え、基本的なスタンスを変えるつもりもありませんので、まあボチボチとやっていきたいと思います。
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ブログスカウター
 例のコンテンツはもうちょっとお時間戴きたい(USBメモリを会社に忘れてきたのでフォトの撮影ができない)のですが、ちょっとした暇つぶしに「ブログスカウター」なるモノを設置してみました。



 まあ要するに、ページビューやらユニークユーザー数やら更新頻度やらリンク元の数やらで「ブログの影響力」を測定するツールらしいです。
 更新頻度がた落ちの当ブログですが、現在も引き続き300PVをコンスタントに叩き出しておりますので、まあ一度どの程度の「影響力」があるか見てみたいと思った次第ですわ。
 「リンク元」には、Y!やGoogleの検索にどの程度引っかかっているか(=特定のキーワードに対してどのくらい検索結果として上がってくるか?)も含まれているようですので、まあまあいい線行くんじゃないかと。
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さてさて。
 ようやく「宿題」のひとつが片付いたんで、二輪の実車紹介の方をボチボチやろうかと思います。

 実は文字原稿の方はほとんど書き上がっていて、フォトの撮影やって細かい編集やればアップできるような状態です。
 まあ、可能であればもうちょっと実物に試乗してみるとかはしてみたいところなんで、その辺は機会を見つけてボチボチやろうという感じです。
 とりあえず外車各メーカーからはじめて、国産車についてはジャンル別に書くような感じで行こうかと。

 まあワタシが書く文章ですから、独断と偏見に満ちあふれた(笑)アレな文章になることは必至なわけですが、その辺はご理解の上読んでいただければ。
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一心不乱に「エンスージア」を試す(その2)
 と言うことで、未チューン状態では思うように言うことを聞かないマシンで、いやいや参戦することを余儀なくされるこのエンスージアですが、早い段階でお気に入りのマシンを入手し、コツコツ積み上げたスキルポイントでチューンが進んでいくと、その先には桃源郷が待っているわけです。端的に言えば、マシンのチューンが一定レベル以上になって以降のドライビングプレジャーは、あまたあるドライブゲームの中でも屈指と言える快楽に満ちています。

3:ドライビングとシミュレーション精度
 ご存じの通り、エンスージアのマシン挙動モデルは、加減速やステアリングによる荷重移動に着目したシステムになっています。特に、左右方向の荷重移動、及びヨー慣性のシミュレーション精度は秀逸で、エンスージア支持者がGT4との比較でよく口にする「エンスージアではドーナツターンができる」という事例(GT4は高すぎるタイヤグリップとヨー慣性のシミュレーション精度の甘さから、意図的に起こしたスピン状態も簡単に収束してしまうため、ドーナツターンに持ち込めない)を以ても明らかでしょう。一度発生したヨー慣性力は、(タイヤのグリップ力による減衰こそあるモノの)収束させる操作をしない限り持続し、これに伴ってドリフトに持ち込んだ際の挙動のリアリティや「飛距離」はGT4の比ではありません。一方、最高レベルまでチューンアップが施されてもタイヤの絶対的なグリップ力はGT4より大きく劣るため、グリップに頼った操縦では速く走れません。従って、このゲームで速く走るためにはドリフトコントロールを身につける必要があります。コレは端的に言えば「タイヤのグリップ力に頼れない」ために必然的にそうなるためなのですが、タイヤのグリップ限界の低さ故に後輪駆動車の不安定さはGT4の比ではなく、縦のトラクションを少しでも稼ぐ必要から、RWD車はほとんど「アクセルオンでド・アンダー」になるようなトラクション重視のセッティングを余儀なくされます。タイヤのグリップ力が実車より圧倒的に高いGT4ではココまでシビアな状況にはならないことから、エンスージアを「よりリアル」であると評価することもできるでしょう。

 その一方、タイヤの絶対グリップ力がGT4より低いことを差し引いても、タイヤ個々のグリップ力変動による挙動変化のシミュレーション精度はGT4に劣ります。このあたりの違いは、左右のタイヤのグリップ力を意図的に違う状態にした際の挙動でわかる点です。これは例えば「ドリフトで振り出したアウト側後輪だけがグラベルに乗った」時や、「インカットしてイン側前後輪をグラベルに引っかけた」際の挙動の不自然さ(と言うか、基本的にこうした状態でも何事も起こらない)という事象に現れます。また、このへんの再現性の低さは、細かいギャップのあるコーナーでの挙動再現性に表れています。左右両輪が同時に乗っかるようなギャップやアップダウンでははっきりと挙動が乱れるので垂直方向の挙動が再現されていないわけではないのですが、グラベルや(ニュルのような)荒れたコースでの挙動が大人しすぎて拍子抜けする面はあります。
 また、サスを通したタイヤへの荷重からグリップ力を演算し、それに基づいて挙動計算するGT4と比べて、エンスージアのシステムはマシンの個性が見えづらいようで(これはワタシの感覚が鈍いせいかもしれませんが)グリップ限界内でマシン個々のハンドリングの違いを疑似体験するにはGT4の方が適しているように思います。

 さらに、GT4と比較して「奇妙」に映るのは、垂直方向の荷重変動に対する挙動でしょう。リプレイ画面で見るジャンプ時のマシン挙動や、エンスージアに対する批判のターゲットとなった「ニュルブルクリンクのカント」にこの傍証があります。
 実際、エンスージア版のニュルブルクリンクをしっかり走り込むと、エンスージア版ニュルにもしっかりコーナーのカントが存在することが判ります(これは特に、タイヤのグリップ力が上がってしまう前の状態のマシンの方がわかりやすいです)。問題は、存在するはずのカントが、少なくとも視覚的にはほぼフラットに「見えている」という点にあります。
 現実のニュルの車載カメラ映像とGT4版、エンスージア版のニュルを比較した場合、明らかにGT4版ニュルの方が視覚的にはリアルであることは言を待ちません。ところが、実際に走行してみると、エンスージア版ニュルにも「見えないカント」がきちんと存在している。この奇妙な事象が意味するモノは何なのか。
 以下はアクマで筆者の想像ですが…。エンスージアの挙動モデルを作成した際、水平方向の荷重変化、特に横Gに対する挙動チューニングを正確に行った結果、垂直荷重に対するシミュレーション精度のどこかに問題が発生したのではないか。それを補正するため、エンスージアの世界では重力が現実世界より高い設定にされているのではないかと考えられます。そして、その「高い重力」に対して挙動のリアリティからコースのカント角を再計算したところ、現実よりも浅いカントで現実通りの挙動を示しているのではないかと想像されるわけです。

 エンスージアのもう一つの特徴は、ATミッションのセッティングにあります。GT4が非常に単純な速度・回転数感応でのシフトアップ/ダウンなのに対して、エンスージアのATミッションは駆動輪がスピン状態にある際にはシフトアップされず、これもドリフトの飛距離延長に一役買っています(ドリフト中にシフトアップされると、駆動力が減少してトラクションを回復してしまうため)。シフトアップについては優秀なエンスージアのAT制御ですが、シフトダウンについてはやや過敏な傾向にあり、特に低速コーナーをスピンターンでクリアした際に低いギアにシフトダウンされてしまうことからホイールスピンを誘発してトラクションが掛からず苦労させられます。このあたりはATであってもシフトボタンを押し込むことでギアをロックできる(同じ仕様はGT4も備えている)ので、これを活用することになります。

4:セッティングとチューニング
 前述の通り、エンスージアにおける「チューニング」は、スキルポイントに応じてシステムによって自動的に行われます。従ってプレイヤーの意志の介在する余地は皆無で、一台のクルマを(結果的にフルチューンに行き着くにせよ)どのように仕上げていくかと言う楽しみは全くありません。また、「パワーアップ」と称するチューニングがどのように行われ、結果どの程度パワーアップしているかは数値上明示されておらず、GT4のように「場違いなクルマをフルチューンしてとんでもなく速くしてしまう」という芸当も不可能です。エンスージアの方が実勢に則っていると言うこともできる一方、なぜか(レギュレーションで性能キャップが存在するはずの)レーシングマシンに於いても10段階のチューニングメニューが存在するあたりは、GT4同様に「ホントにレースを知ってるのか?」と突っ込みたくなるポイントと言えるでしょう。
 一方、基本的なセッティング(車高、サスペンションのスプリングレート、ダンピング、デフのロック率、ギアレシオ、キャンバー・トー角)についてはクルマを入手した瞬間から手をつけることが可能で、未チューン状態ではまともにドライブすることすら困難なこのゲームに於いては、これがプレイヤーの生命線となります。但し、サスペンションの動きからタイヤのグリップ力を演算しているGT4のそれと比較して、エンスージアのセッティング項目は少なく、クルマの性格を激変させるほどの効果も見込めません。また、GT4ではセッティングメニューの一部に含まれているTCSやEBC(ブレーキによる挙動補正システム)がエンスージアでは電源投入時に使用・不使用を選択する仕様とされているため、セッティングでどうにもならないクルマをつかまされた際にTCSなどで救済するという方法も使いづらくなっています。

5:総評
 一定レベル以上のマシンに、一定レベル以上のチューニングを施した状態でのドライビングの楽しさはGT4をも超えます。ただ、そこにたどり着くまでの「やらされている感」が高いゲーム性や、チューニングにおけるプレイヤーの自主性の欠如など、「エンスージア」というタイトル通り「エンスージアスト向け」に作られたゲームなのか?と言う疑問は残ります。まあ、エンスージアならではのドライビングプレジャーを存分に楽しむためには、早い段階で入手した一台の愛車ととことんまでつきあい、フルチューンまで持って行く必要があるわけで、そういう行為を「エンスージアスト的」なるモノと見なすこともできなくはないでしょうが。ただそう考えても、その「一台の愛車」を入手する過程に、ルーレットという「運」が介在する(ルーレットには「はずれ」があるので、どうやっても「そのクルマ」を狙って確実に入手する方法はない!)のはどう考えても納得がいかず、「エンスージアスト的」なるモノに対する誤解があるんじゃないのと言いたくなります。

※ワタシが主宰する某バイク(外車)のMLには、「欲しければ買え!ローンの払いや家族への言い訳は買ってから考えろ!!」という「物欲教」の教えが言い伝えられています。「エンスージアスト」たるモノ、欲しいモノは万難を排しても買うモノであるとワタシは考えるのですがいかがでしょうか?

 こうした明らかに特異(と言うか異様)なエンスージアのゲームシステムは、同じジャンルの他のゲームを「意識しすぎた」ためだと思いますが、個人的にはどう贔屓目に見てもバランスを欠いたシステムであると言わざるを得ません。
 あくまでも「ゲーム」として遊ぶのであれば、「自分のユニット」は性能のみで選択することになるでしょうが、「実車の代用品」としてドライブゲームを遊ぶ(であろう)「エンスージアスト」であれば、ゲームの中のクルマは単なる「自機ユニット」ではなく「実車そのもの」としての思い入れの対象となるわけであり、それを自由に選択することができないばかりか、入手後のチューンアップに至るまでシステム任せにされてしまう(GT4など他のゲームのように、過剰チューンでとても扱えなくなることがないのは幸いとは言えますが)エンスージアのシステムは、どう考えても「エンスージアスト」ではなく「ゲーマー」にフォーカスしたシステムであると言わざるを得ず、根本的に間違っていると思う次第です。

 マシン挙動のリアリティに関しては、ことドリフト状態については文句なしにGT4以上。ただ、グリップ限界内では、標準コントローラー環境ですら「マシンの個性」に目を向けることができ、それが実車のそれに即しているGT4ほどの精度があるとは言い難く、甲乙つけがたい印象です。
 つまりエンスージアのシミュレーターとしてのリアリティは、アクティブな=ドライバーの操作に対するマシンの挙動という面に於いてはGT4に勝るとも劣りませんが、パッシブな=操作以外の要因によるタイヤのグリップ力変化に対するマシンの挙動変化という点ではGT4に劣ります。この点は、シミュレーションシステムの「優劣」ではなく「得手不得手」の違いであると考えるべき点ですが、この両者が異なるアプローチで実車の挙動を再現しようとしたが故にこうした得手不得手の差が出ているわけであり、この点は留意しておくべきでしょう
 どちらも、最終的な目標が「実車挙動の忠実な再現」にある以上、行き着くべきゴールは同じなわけですが、それに対するアプローチが異なり、なおかつどちらもが未だに「ゴール」にたどり着いていないからこそこうした得手不得手が出るわけですから、今後この両者が(互いを意識しながら)異なるアプローチで同じゴールを目指し続けていけばおもしろいと思います。
 また、フルチューン状態ですらGT4より低いグリップ限界と、タイヤの絶対グリップ力の大小に関係ないピーキーな挙動(一般的に、絶対的なグリップ力が低ければ、その分限界が速く訪れるため挙動はマイルドになります)から、特にRWD車のドライビングを標準コントローラーで行うのはかなりの困難を伴いますから、このゲームの真価を味わうにはやはりハンコンが必須となります。

 たとえて言うなら、GT4が「軽自動車のエンジンを積んだロイヤルサルーン」なのに対して、エンスージアは「レーシングカーのエンジンを積んだ軽自動車(レース用足回りはオプション)」のようなモノだと思います。
 「オプション装備」の充実したGT4は、一本道でない多様な楽しみ方をプレイヤーが自力で発見できる一方、絶対的なエンジンの馬力が不足している(=シミュレーション精度やゲームチューニングで角を丸められているため、プレイヤーに厳しさを求めない)コトが不満になってきます。
 一方のエンスージアは、ポテンシャルこそ超一級ながらそれを有効に生かし切るだけのシャシー性能が足りず(=我慢を強いられる上に「やらされている感」が高く、自由度の非常に低いゲーム性が問題)そのポテンシャルに気づく前に中古車屋に売り飛ばされてしまう可能性が非常に高いのが惜しいとも言えます。
 よりはっきり言えば「ゲーム」としてのパッケージングの面で、エンスージアはGT4に及びません。ピーキーなその挙動、シビアなマシンコントロールを「楽しい」と思えるなら、エンスージアは(大衆向けにリアリティの角を丸めたチューニングを施されている)GT4よりも文句なしに楽しいのですが、そこに至るまでの道のりがあまりにもプレイヤーに我慢を強いるモノである点が問題と言えます。ただ、スポーツドライビングの疑似体験の楽しみという点に於いてはこの両者は甲乙つけがたいレベルにあるとも言えます。

 以前も述べたように、GTシリーズ開発元の独善的とも言える発言や、「リアル」を標榜していながらちっともリアルでなかった「ツーリスト・トロフィー」の出来を見聞するにつけ、「リアリティ」という「GTシリーズの土俵」で真っ向勝負を挑むようなライバルとしてのエンスージアの存在は貴重であり、しかもその「リアリティ」に至る方法論がこの両者で異なっているコトこそが重要であると、筆者は考えます。それだけに、その「真価」を体感するまでに挫折してしまう(現に筆者は一度ならず挫折した)ようなゲーム性やチューニングは惜しいと思うところであり、コナミがこのゲームをリファインし、今後シリーズ化してくれることを願うばかりです。
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一心不乱に「エンスージア」を試す(その1)
 と言うことでエンスージアです。


 この一ヶ月くらい徹底的にやり込みました(苦笑)
 全車コンプリートはまだですが、ランキング1位まで行きましたので、インプレを書くには充分なプレイ時間は取れたと思います。操作系は例によって標準コントローラー(デュアルショック2)ですが。

1:マシンラインナップ
 以前の記事にも書きましたが、「GT4が網羅しなかったマニアックなクルマ」が多数入っている一方、エルグランドやアストロと言ったSUVまでラインナップに含まれており、ナニを目指したのか判らないラインナップになっています。個人的には、エルグランドに乗る友人がいるので、バトルで妙に熱くなったりするのがいい感じではあるのですが(笑)
 GT4のようなマシンラインナップの水増し(同一車種のグレード違いを多数投入する)を行わなかったのは好感が持てるところですが、あからさまに場違いなクルマがレースの対戦相手に出てきたりするとガックリ来ますし、(後述しますが)マシンのチューンアップの自由度も低いので、「明らかに場違いなクルマ」でスポーツカーを喰いまくる楽しみもありませんから、もうちょっとラインナップは考えてもらいたかったところです。

2:ゲームシステム
 GT4のゲーム内でのサイクルが「レースに出て金を稼ぎ、それでクルマを買ったりいじったりする」と言うモノであるのに対して、エンスージアのゲーム内サイクルは「レース内容に応じたポイントでチューンが行われ、クルマは(ほとんどの場合)ライバル車の中からルーレットで選ばれた一台が『ロック解除』される」という流れになっています。既に以前も書いたとおり、このチューンはシステムが勝手に行うためプレイヤーの自由度が介在することは皆無で、なおかつチューンアップがスペックの数値に反映されないため、どの程度性能が向上しているかがまるっきり判りません。サーキットのラップタイムを比較すれば性能向上は明らかですし、タイヤ交換や軽量化による旋回性能の向上は(後述するように)GT4以上にハンドリングを向上させるのですが、いかんせんそれが徐々に向上していくことと、デチューンが不可能なことからダウングレードしての性能比較が不可能なため「性能が良くなっている」という実感に乏しく、チューン前のクルマに乗り換えたときに初めて有り難みが判るという何とも言えない仕様になっています。
 さらに言えば、「カネ」の概念を排除したことにより、このゲーム内では「ノーマルではお話にならないクルマを、別のクルマで稼いだ資金でチューンアップしてどうにかする」と言うことが不可能で、あるクルマをどうにか戦闘力向上させようとするなら、戦闘力の低い初期状態で我慢のレースを続ける必要があります。

 エンスージアにおいては、レースの結果は全て「ポイント」というカタチでドライバーに支払われます。ポイントには、ドライビングスキルが直接反映される「スキルポイント」(マシンチューン及び「ドライバーレベル」のアップに適用される)と、レースのリザルトが反映される「ランキングポイント」(出場可能なレースの数に影響)の2種類があります。
 「スキルポイント」は、ドライビングアシストを使っているか否かで決まる「基本点」に走行距離と順位を加算、そこから接触やコースアウトによる減点を差し引いて算出されます。先に述べたようにこのポイントがチューンアップに反映されるわけですが、タイヤのグリップが低くコントロールが難しい状態ではなかなかスキルポイントを稼げません。「ドライバーレベル」は単純に言えば「継続参戦能力」に効く部分で、ドライバーレベルによって「ドライバーHP(接触などにより減少)」の最大値と回復値が増えていきますから、難コースでぶつけまくって次のレースで強制欠場させられることが、レベルアップによって減っていくわけです。「壁ターン」などのゲーム的テクニックで速く走ってしまうことを避けるための仕様と言えるわけですが、もらい事故っぽい接触でも容赦なくスキルポイントが減算されたり、画面がスローモーションになるような大クラッシュをやってもポイント/HPの減算値が大差なかったり(いっそのこと、ああいうハイスピードクラッシュの場合、即刻リタイヤさせられるような仕様にしても良かったんじゃないかと思う)と、あまり有効に機能しているとは言えません。一方、コース攻略上発生する戦略的なショートカットでもスキルポイントは減算されますので、速い走りとポイントを稼げる走りが必ずしもイコールでないところもややネックとなります。

 ランキングポイントの方は、レースのグレード(グレードの高いレースの方が敵車が速くなる)による基本点に、車両性能による「オッズ」を掛けたポイントが得られる仕様です。「オッズ」は一応、車両性能差を反映していることになっているんですが、中には明らかにお得なポイントが得られるレースもあるため、必ずしも実勢を反映しているとは言い難いところがあります。
 レースのグレードによる敵車のスピード向上の方は、恐らく「チューンアップ」によってなされているようで、ほぼ同一性能(レギュレーションによる「縛り」があるので、本来ならイコールコンディションになる)のラリーカー同士のマッチレースですら、スタートダッシュでいきなりぶっちぎられたりすることが多々あります。はっきり言えば最上位クラスである「RS」クラスへの参戦に於いてはフルチューン済みのマシンが必須で、それはレーシングマシンであっても同じです。ところがチューンアップを施すためには操縦性のよろしくない未チューンのマシンでレースを(我慢しながら)走る必要があり、同時にそれはドライバーランキングの低下を招くため、「やらされている」感が高まってくる部分です。

 新車の入手は、先に述べたように「レース終了後、参加車両の一台を『ルーレット』によって『ロック解除』する」と言う手順で行われます。ゲームをスムーズに進める上では、お気に入りのクルマを如何に早い段階で(レースレベルが上がると、チューンなしで戦うのが厳しくなるので、早期に入手してフルチューンしてしまう必要がある)入手するかがポイントとなるので、レースレベルが低いうちに、気に入ったクルマが出ているレースを狙い撃ちして参戦していくコトになります。
 ところが、レース後のクルマ入手はルーレットによるランダムであり、しかも「はずれ」があるという許し難い仕様になっているため、欲しいクルマを入手するためにいやいやレースに出続けることを強要されるため、これまた「やらされている」感が高まっていく仕様になっています。
 何と言ってもルーレットに「はずれ」があるというのが個人的には許し難く、1レース走り切ってヘトヘトになった状態でこの「はずれ」が来たりすると、マジでROMを叩き割りたい衝動に駆られます
 また、先に述べたようにクルマの入手は「ガレージにあるクルマの『ロックを解除』する」という建前になっているため、同じクルマを2台用意して未チューンとチューン済みの性能比較をすることもできず、お仕着せのチューンアップの効果を体感することを難しくしています

 とりあえずココまで。一番のポイントであるドライビングについては追って。
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これを使える環境の方がうらやましいです。

グランツーリスモ4
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これ持ってない人はウチには来ないと思いますが、一応(笑)
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ゴーストライダー4 GOES UNDERCOVER
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ついに出ました第4弾(笑)
今度のゴーストライダーは…とんでもないことをやってしまいます。後は見てのお楽しみ(笑)

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WGP〜MotoGPの世界を鋭い視点で捉えたドキュメンタリー。ナレーションはユアン・マクレガーと豪華です。
「レースの世界」というモノを理解する教材として非常によくできていると思います(笑)

WRC 世界ラリー選手権 2005
WRC 世界ラリー選手権 2005

セバスチャン・ローブが圧倒し、6ワークスが闘った05シーズンの総集編。ひょっとするとこんな豪華なWRCはこの年が最後になるかも…という意味でも是非買っておきたいです。

ツーリスト・トロフィー
ツーリスト・トロフィー

GTシリーズのスタッフが手がけたバイクゲーム。
残念ながら挙動再現はGTほどのリアリティとは言い難いですが、演出面での「本物感」は従来のバイクゲームとは一線を画しています。

RSII ~ライディング スピリッツ2 ~
RSII ~ライディング スピリッツ2 ~

現時点で、その挙動再現性に於いて最高峰のバイクゲーム。マシンラインナップは「TT」以上、チューンアップすればマシンの外観が変わるなど、バイク乗りのココロの「ツボ」を巧みに衝いたゲーム作りは「TT」も見習うべきだと思います。

セガラリー2006(初回プレス特典 復刻版PS2「セガラリー・チャンピオンシップ」同梱)
セガラリー2006(初回プレス特典 復刻版PS2「セガラリー・チャンピオンシップ」同梱)

「ラリーによく似た競技」を「セガラリーによく似たクルマ」で走るゲームです。
グラベルを全開でぶっ飛ばす快感はしっかり受け継がれていますので、その点ではおすすめです。

ライディングの科学
ライディングの科学

ワタシが知る限り唯一の「モーターサイクルの挙動を理論的に解説した解説書」
モーターサイクルゲームの挙動分析をする上での、ワタシのバイブルと言える逸品です。

クルマが先か?ヒコーキが先か?Mk.3
クルマが先か?ヒコーキが先か?Mk.3

岡部いさく氏の名著「クルマが先か?ヒコーキが先か?」の第3弾。
今回はちょっとマイナーな、フランスやオランダのメーカーや、日本のカワサキやYS-11も取り上げられています。

世界最速のインディアン ゴッド・オブ・スピード・エディション
世界最速のインディアン ゴッド・オブ・スピード・エディション

実話に基づいて映画化された、「スピードの神に魅せられたジジイ」バート・マンローのボンネヴィルチャレンジの映画。
こんなジジイになりたいもんです(笑)

Turn 8 ラグナセカの青い空
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「FASTER」のスタッフが再び結集。ラグナセカで行われたUSGPの模様を、ライダーの心理にまで踏み込んで描写したレース映画。
「FASTER」同様、レースの世界をのぞき見る教材として非常に秀逸な仕上がりです。

ユアン・マクレガー 大陸横断~バイクの旅
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ユアン・マクレガーとチャーリー・ブアマンがロンドン発〜ニューヨーク着のユーラシア大陸横断ツーリングに挑んだドキュメンタリー。旅の準備段階から描かれていてドキュメンタリーとして非常に秀逸です。
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「本物のラリー」を疑似体験できる、現在唯一のラリーシミュレーター。故リチャード・バーンズが遺してくれたラリーファンへの贈り物です。要求PCスペックは高いですが、ぜひプレイしてみてください。