電脳Maximum Attack!!

モータースポーツ「サポーター」宣言!!

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ローブ、敗北
 WRC5連覇を達成し、最多勝記録も更新し続けて、今や負けること自体がニュースになってしまう「史上最強のWRCドライバー」セバスチャン・ローブが敗北しました!
 と言っても、レッドブルのエキジビションイベントとして行われた「異種格闘技戦」で、ですが。

 今回の「異種格闘技戦」は、レッドブルのイベントとして行われたモノで、舞台はベルギーの「ミュール・ド・グラモン」という、自転車レースで有名な石畳の急坂(800mの距離で91mを駆け上がる!)。この道は遺跡保護の観点から四輪車の通行が禁じられており、自転車レース(ツール・ド・フランドル)でも、併走するサポートカーですら迂回しなければならないと言う道路です。ローブは、この道を初めて走った四輪車ドライバーになったわけです。

 そして、この道でローブを打ち破ったのは、モトクロス世界チャンピオンのステファン・エバーツ。マシンは彼が世界選手権で使っていたKTMのモトクロッサー(二輪車)でした。

 このサイトを閲覧されてる方にはあまりお馴染みではないと思いますのでエバーツについて説明しておきますと、モトクロス世界選手権(WMX)でチャンピオン10回(!)優勝101回(!!)という前人未到の記録の持ち主で、父(ハリー・エバーツ)もMX世界チャンピオンという生粋のサラブレッドです。そのライディングは「エバーツ乗り」と言われるスタンディングを多用した独特のスタイルで、渡辺明氏(日本人初のMX世界チャンピオン)に「現代MXライディングの理想型」と評されたほどです。
 モトクロスの世界では「世界選手権」と縁を切っているアメリカAMAのスーパークロスライダーとの比較から、果たして「世界チャンピオン」が最速なのかという議論があり、エバーツ自身もかつてはAMAスーパークロスへの参戦意欲を口にしていたことがありました(初チャンピオン獲得の頃は、ちょうどジャン・ミシェル・バイルがヨーロッパ人として初めてスーパークロスチャンピオンを取った時期と同じ頃だったため)が、エバーツはその後自身の怪我などもあって世界選手権に専念。一方でモトクロス・デナシオン(シーズンオフに開催される国別対抗戦)やWMXに来襲したアメリカ人をことごとく迎撃することで自身の速さを証明しています。

 当時〜現在の世界選手権MXとAMAスーパークロスの関係は、現代のスノーボード・ワールドカップとX-GAMESの対比と非常によく似た構図です。
 スーパークロス全盛期には、たまに世界選手権に出てきたり、あるいは当時開催されていたMXアメリカGPで、世界選手権レギュラーがアメリカ人に蹂躙されると言う構図があり、「真の最速」はAMAスーパークロスチャンピオンだという評価がありました。その評価を覆したのは、世界チャンピオン獲得後にアメリカに乗り込んでスーパークロスチャンピオンを獲得したジャン・ミシェル・バイルで、その後WMXなどでエバーツがスーパークロスライダーを打ち負かしたことから「世界選手権」が復権したと言えます。
 現代のスノーボードの世界では、ワールドカップチャンピオンがX-GAMESに出て5位とかその程度の成績しか挙げられず、「本当の世界トップクラス」が実はX-GAMESにいるという、非常に似通った構図になっています。
 「本当の世界トップクラス」が出ていない「世界選手権」での好成績を理由に「メダル確実!」などと浮かれていたスノーボード日本代表が、大挙襲来したX-GAMESライダーに蹂躙されたトリノオリンピックは記憶に新しいところでしょう。


 対決の模様は、シトロエン・ワールドラリーチームのサイトに動画が上がっていますのでそちらをご覧ください。
 気温7度+雨と言う条件下で、しかも一般的な舗装ではなく石畳という、考えられる最悪のコンディション下で対決した二人の偉大なチャンピオンにまず敬意を表したいところでしょう。
 動画で見たところ、先に走ったエバーツはこのトラクションのかからない路面に対して、「必殺ミゾ落とし」ならぬ路肩アウト側の側溝をバンク代わりにしてトラクションを稼ぐ走法を繰り出しています。
 エバーツのタイムを知らされないままスタートした一方のローブも、イン側の側溝を使ったり、アウト側のグラベルに引っかけるなどしてクルマのスライドを止めており、まさに真剣勝負の様相です。
 対決の結果、エバーツが0.1秒差でローブを抑えて勝利。

 ローブは敗者への罰ゲームとして、エバーツのKTMを洗車したそうです(笑)

 このブログでも以前取り上げた話ですが、純粋なスピード勝負で二輪が四輪に勝つことは至難の業で、公道レベルならいざ知らず(エキジビションとはいえ)世界トップレベルの競技車両と選手が勝負して二輪が勝ったことは、まさに快挙と言えると思います。それをやってのけたのがMotoGPライダーではなく、MX史上最強を謳われるエバーツだったあたり、「土モノ」出身者として個人的に誇らしく思います。

 ただ、敗れたとはいえローブの存在感はさすがと言え、それはエバーツの勝利コメントにも表れています。

「今年セバスチャンに勝つのは僕だけにして欲しいよ」

 いや。正直そうなりそうで怖いんですが(笑)

 余談ですが、「ターボがなくなったらWRCから引退する」と公言していたローブですが、S2000規定導入後もWRCに残る旨の発言を行ったそうです。
 ただ、相変わらずサーキットレース参戦への意欲を見せているローブが、本当にS2000時代にもWRCに残ってくれるのか、注目されるところです。
ghostrider: WRC・ラリー | comments(2) | trackbacks(0) |

コメント

多分、赤牛企画と思いますが、
エバーツが勝つとは....。

セルジュ ノーケ(WR450 VS NのGDB?)の動画がよく動画サイトに上がってますが、
アレは、なんかオフザケテイストがきついので。

それにしても、
あの路面はレインでも、全然グリップしませんね。
あの路面で走れと言われたら.............。


あとは、
ただ今ナイトロサーカスで忙しい人が、アメリカ版をやってくれたらなぁ。
smr249evo | 2009/03/30 6:55 PM

smr249evoさん>

さすがのワタシも、エバーツが勝つとは思いませんでした(笑)

シトロエンのサイトに上がっていた動画でもわかるとおり、エバーツはアウト側の側溝を使って高速コーナリングしてるんですが、あのアウト側側溝は上に落ち葉が載ってますし、しかもインにずれると逆バンクになって溝を跳び越えるくらいテールスライドすると言う状況でしたから、文字通り側溝の幅分だけしかラインがないという。あんなところでステップから火花を散らすぐらい寝かしてるんですから、「ローブに勝つ」という難業のために全力でアタックしたのだと思います。
ghostrider@管理人 | 2009/03/31 4:36 PM


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